チック症とは?症状・原因・対応方法について知っておきたいこと

チック症(またはチック障害)は、突然、反復的で不随意的な運動や音を発する状態を指します。これらの反復的な動きや音は、本人が意図的に行っているわけではなく、制御できないものです。チック症は、主に子どもに見られることが多いですが、大人にも発症する場合があります。
チック症には、「運動チック」と「音声チック」の2種類があります。運動チックは体の一部を使った不規則な動き(例えば、まばたき、肩をすくめる、顔をしかめるなど)が特徴です。一方、音声チックは音や言葉を発することがあり、例えば咳払い、鼻をすすり上げる、特定の言葉を繰り返すなどがあります。
チック症は、通常、成長と共に軽減することが多いですが、一部の子どもでは長期的に続くことがあります。場合によっては、症状が日常生活に支障をきたすこともあるため、適切な理解と対応が必要です。
目次
チック症の症状
チック症の症状は、個々の症例により異なりますが、一般的には次のような特徴があります。
1. 運動チック
運動チックは、顔や首、手、足などの体の部分で繰り返し発生する不随意的な動きです。よく見られる運動チックの例としては以下があります。
- まばたきや目を細める
- 顔をしかめる、口を動かす
- 肩や首をすくめる
- 手をひねる、足を跳ねる
運動チックは、数秒から数分続くことがあり、本人が無意識に行っているため、その動きを止めようとしてもなかなか止められません。
2. 音声チック
音声チックは、音を出したり、言葉を繰り返したりする症状です。音声チックの一例としては以下があります。
- 咳払い
- 鼻をすすり上げる
- 口笛を吹く
- 意図的でない言葉や音を繰り返す
音声チックには、特定の言葉やフレーズを無意識に繰り返す「コプロラリア」と呼ばれるタイプもありますが、これは全体のチック症患者の少数派です。
3. 症状の発症時期
チック症は、通常、5歳から10歳の間に初めて現れることが多いです。また、症状が最も強く見られるのは、子どもが成長し、神経系が発達している過程においてです。
チック症の症状は、時間とともに変化し、例えばある時期に見られたチックが突然治まったり、新たなチックが現れたりすることもあります。通常、症状は数ヶ月で自然に治まることが多いですが、一部のケースでは数年続くこともあります。
チック症の原因は?
チック症の原因は、まだ完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関与していると考えられています。
1. 遺伝的要因
チック症は、家族内で見られることがあり、遺伝的な要因が関係していると考えられています。つまり、両親や兄弟姉妹にチック症やそのほかの神経発達障害がある場合、子どもがチック症を発症するリスクが高くなることがあります。
2. 神経伝達物質の異常
脳内の神経伝達物質(特にドーパミン)の働きに関連があるとも言われています。ドーパミンは、運動制御に関与する物質であり、そのバランスが乱れるとチック症が引き起こされることがあります。研究により、チック症の患者にはドーパミンに関する異常が見られることが示唆されています。
3. 環境要因
ストレスや環境的な要因がチック症を引き起こすこともあります。特に、急激な環境の変化や生活の中での精神的な負担が強くなると、症状が悪化することがあります。これには、家庭の問題や学校でのプレッシャー、友達との関係性の問題などが含まれます。
4. 感染症(PANDAS)
一部のチック症は、溶連菌感染症が引き金となって発症することがあります。これは「PANDAS(小児自体免疫性神経精神疾患)」という状態で、感染後に急にチック症状が現れることがあります。PANDASの場合、感染症の治療とともにチック症の症状が改善することが多いです。
チック症の相談先は?
チック症の症状が気になる場合、早期に適切な相談を行うことが重要です。以下のような専門機関に相談することができます。
1. 小児科医・神経科医
まずは、小児科医や神経科医に相談することが推奨されます。チック症の診断を受けるためには、専門的な医師の判断が必要です。医師は症状を評価し、必要に応じて治療や管理方法を提案します。
2. 発達障害専門の支援機関
発達障害に関する専門的な知識を持つ支援機関や児童発達支援教室も、チック症に関する支援を行っています。TAKUMIのような児童発達支援教室では、発達障害の支援とともに、チック症の子どもに適切なサポートを提供することができます。
3. 心理カウンセラー
チック症に伴うストレスや不安がある場合、心理カウンセラーに相談することも有効です。カウンセリングを通じて、子どもの精神的なサポートやストレスの軽減が図れます。
チック症の対応で大切なこと
チック症を持つ子どもに対する対応は、非常に慎重に行う必要があります。以下の点に注意することが大切です。
1. 理解と共感
チック症の子どもは、自分の症状に対して気まずさや恥ずかしさを感じることがあります。周囲の大人は、子どもを理解し、共感することが大切です。無理に止めさせようとするのではなく、症状を受け入れる姿勢が重要です。
2. ストレス管理
チック症は、ストレスが影響することがあるため、子どもがリラックスできる環境を作ることが大切です。ストレスを減らすための工夫としては、日常生活を規則正しく保ち、過度なプレッシャーを与えないように心がけましょう。
3. 専門的な支援
チック症の症状が長期にわたる場合や、社会生活に支障をきたす場合には、専門的な支援を受けることが重要です。発達障害の支援を専門とする施設での療育や、カウンセリングなどが有効です。
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まとめ
チック症は、突発的で不随意的な動きや音を特徴とする障害です。子どもに多く見られますが、適切な理解と対応をすることで、症状を軽減することが可能です。チック症の原因は遺伝や神経伝達物質の異常、ストレスなどさまざまであり、早期の相談と治療が重要です。理解と共感をもって接し、専門的な支援を受けることが、子どもにとって大きな助けとなります。